平成14年度、問題回答集21〜30

【No.21】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建築確認を申請しようとする建築主は、あらかじめ、当該確認に係る建築物の所在地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得ておかなければならない。

2 建築主は、工事を完了した場合においては、工事が完了した日から3日以内に到達するように、建築主事に文書をもって届け出なければならない。

3 文化財保護法の規定によって重要文化財に指定された建築物であっても、建築基準法は適用される。

4 建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。



正解 4

1 × 建築確認を行う建築主事又は指定確認検査機関は、確認にかかる建築物の所存地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得なければならない(建基法93条1項)。この同意を得るのは建築主ではない。

2 × 建築確認を受けた工事が完了した場合には、建築幸は、原則として4日以内に到達するように、建築主事の検査を申請しなければならない(建基法7条1項、2項)。3日以内ではない。

3 × 文化財保護法によって国宝や重要文化財に指定された建築物については、建基法は適用されない(建基法3条1項1号)。

4 〇 建基法90条1項は、「建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は⊥事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない」と定めている。したがって本肢は条文どおりの記述であり正しい。なお、本問は、肢2と3が誤りであることはすぐに判断できなければならない。


【No.22】土地区画整理事業の仮換地の指定に関する次の記述のうち・土地区画整理法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。

2 仮換地となるべき土地について質権や抵当権を有する者があるときはこれらの者に仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければならない。

3 土地区画整理組合が仮換地を指定した場合において、当該処分によって使用し又は収益することができる者のなくなった従前の宅地については、換地処分の公告がある日までは、当該宅地の存する市町村がこれを管理する。

4 土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。



 正解1

1 〇 土地区画整理事業の施行者は、仮検地を指定した場合において、仮換地の使用収益の障害となる物件が存在するなど特別な事情があるときは、仮換地について使用収益を開始することができる日を、仮換地指定の効力発生の日と別に定めることができる(区画法99条2項)。この場合には、従前の宅地の権利者は、効力発生の日から使用収益開始の日までは、従前の宅地も仮換地も使用収益できなし、ことになる。

2 × 仮換地を使用収益することができる権利を有する者に対しては、仮換地の位置及び地積並びに仮換地指定の効力発生の日を通知しなければならない(区画法98条5項)。この点について本肢は、質権老と抵当権者を同じ扱いとしている点で誤り。質権設定契約は要物契約であり、不動産質権者は質物の引渡しを受けており、かつ使用収益権を有するが、抵当権者は抵当目的物の使用収益権を有しない。したがって質権者には本肢の通知が必要だが、抵当権者に対しては不要である。

3 × 仮換地の指定がなされ使用収益する者のなくなった従前の宅地は、換地処分の公告の日まで、市町村ではなく施行者がこれを管理することとなる(区画法100条の2)。

4 × どのような者が施行者であるかによって手続きは異なる。土地区画整理組合が仮換地を指定しようとする場合には、あらかじめ総会もしくはその部会又は総代会の同意を得ることが要求されている(区画法98条3項)。なお、個人施行の場合には、従前の宅地や仮換地となるべき土地につき使用収益権を有する者(所有者、地上権者、賃借人その他)の同意が要求されている(同条同項)。土地区画整理審議会の意見を聴くことが要求されているのは、この両者以外の施行者の場合である(同条同項)。


【No.23】農地法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 農地の所有者がその土地に住宅を建設する場合で、その土地が市街化区域内にあるとき、必ず農地法第4条の許可を受けなければならない。

2 採草放牧地の所有者がその土地に500uの農業用施設を建設する場合、農地法第4条の許可を受けなければならない。

3 建設業者が、工事終了後農地に復元して返還する条件で、市街化調整区域内の農地を6カ月間資材置場として借り受けた場合、農地法第5条の許可を受ける必要はない。

4 都道府県知事は、農地法第5条の許可を要する転用について、その許可を受けずに転用を行った者に対して、原状回復を命ずることができる。



 正解 4

1 × 本肢は、農地の所有者が農地を宅地に転用する場合である。この場合は原則として都道府県知事の許可(いわゆる4条許可)を要するが、例外的に市街化区域内の農地を転用するのであれば、手続きが簡略化され、農業委員会への届出だけでよい(農地法4条1項5号)。他の区域と異なり、市街化区域内の農地はできるだけ転用を進めようという趣旨からである。

2 × 本腰の行為は採草放牧地の転用に該当する。しかし農地法4条は、農地の転用についてのみ規制しており、採草放牧地の転用については4条許可は不要である。

3 × たとえ一時的な使用であれ、農地・採草放牧地を転用目的で権利移動する場合には、農地法5条の許可が必要となる(農地法5条)。農地法は一時的なものであるか否かとは無関係に規制しているのである。

4 〇 農地法が定める許可を受けずに許可の必要な行為を行った者に対して、都道府県知事は、相当の期限を定めて原状に回復すべき旨を命じることができる(農地法83条の2第1号)。


【No.24】次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 道路法によれば、道路に水管、下水道管、ガス管を設置し、継続して道路を使用する者は、原則として道路管理者の許可を受けなければならない。

2 宅地造成等規制法によれば、宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用する者は、宅地造成に関する工事を行わない場合でも、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。

3 都市計画法によれば、都市計画事業の事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行う老は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。

4 河川法によれば、河川保全区域内において、土地の掘さく、盛土又は切土を行う者は、原則として河川管理者の許可を受けなければならない。



正解 2

1 〇 道路法によれば、本肢にある行為のように道路の占有をしようとする場合には、原則として道路管理者の許可を受けなければならない(道路法32条1項)。

2 × 宅造法によれば、宅地造成工事規制区域内において、工事を行わずに宅地以外の土地を宅地に転用する者は、転用の日から14日以内に都道府県知事へ届け出なければならない。都道府県知事の許可が要求されているのは、宅地造成工事規制区域内において宅地以外の土地を宅地に造成するために工事を行う場合である(宅造法8条1項)。

3 〇 都計法によれば、都市計画事業の事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行う者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない(都計法65条1項)。

4 〇 河川法によれば、河川保全区域内において、土地の掘さく、盛土又は切土を行う者は、原則として河川管理者の許可を受けなければならない(河川法55条1項1号)。


【No.25】次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律によれば、土砂災害特別警戒区域内において都市計画法上の一定の開発行為をしようとする者は、原則として市町村長の許可を受けなければならない。

2 海岸法によれば、海岸保全区域内において土石の採取等の行為をしようとする者は、原則として海岸管理者の許可を受けなければならない。

3 都市緑地法によれば、特別緑地保全地区内で建築物の新築、改築等の行為をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。

4 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律によれば、急傾斜地崩壊危険区域内において水を放流し、又は停滞させる等の行為をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。



正解1

1 × 土砂災害特別警戒区域内において都計法上の一定の開発行為をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない(土砂災害防止法9条1項)。市町村長の許可を受けるのではない。したがって本肢が誤りで正解となる。

2 〇 海岸保全区域内において土石の採取等の行為をしようとする老は、原則として海岸管理者の許可を受けなければならない(海岸法8条)。

3 〇 特別緑地保全地区内で建築物の新築、改築等の行為をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない(都市緑地法14条1項1号)。

4 〇 急傾斜地崩壊危険区域内において水を放流し、又は停滞させる等の行為をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない(急傾斜地の崩壊による災害の防止の関する法律7条1項)。



【No.26】租税特別措置法第36条の2の特定の居住用財産の異換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 譲渡資産とされる家屋については、居住の用に供しているもの、又は居住の用に供されなくなった日から同日以後5年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものであることが、適用要件とされている。

2 譲渡資産とされる家屋については、その譲渡をした日の属する年の1月1日における所有期間が10年を超えるもののうち国内にあるものであることが、適用要件とされている。
3 買換資産とされる家屋については、譲渡資産の譲渡をした目からその譲渡をした日の属する年の翌年12月31日までの間に取得することが、適用要件とされている。

4 買換資産とされる家屋については、その床面積のうち自己が居住の用に供する部分の床面積が50ni以上500nj以下のものであることが、適用要件とされている。



正解 2

1 × 特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例において譲渡資産とされる家屋は、居住の用に供しているもの、又は居住の用に供されなくなった日から同日以後5年ではなく、3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるもの
 であることが要件である(租持法36条の2第1項2号)。

2 〇 特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例において譲渡資産とされる家屋の要件は、その譲渡をした日の属する年の1月1日における所有期間が10年を超えるもののうち、国内にあるもの、居住しなくなって3年を経過する年の12月31日までに譲渡されるもの、災害により滅失したもので一定の要件を満たすものとされている(租特法36条の6第1項1号、2号、4号)。

3 × 特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例において買換資産とされる家屋は、譲渡資産の譲渡の日の属する年の12月31日までの間に取得し(本肢の記述のように翌年12月31日までの間に取得ではない)、かつ、取得の日から譲渡の日の属する年の翌年12月31日までの閤に居住の用に供するか、又は供する見込みであることとされている(租特法36条の2第1項)。

4 × 特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例において買換資産とされる家屋の床面積要件は、50u以上である(租特法施行令24条の2第3項1号イ)。


【No.27】不動産登記に係る登録免許税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率は、移転の原因にかかわらず一律である。

2 土地の売買に係る登録免許税の課税標準は、売員契約書に記載されたその土地の実際の取引価格である。

3 土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の納期限は、登記を受ける時である。

4 土地の売買に係る登録免許税の納税義務は、土地を取得した者にはなく、土地を譲渡した者にある。



正解 3

1 × 土地の所有権の移転登記の原因は、売買、贈与、相続とさまざまであるが、売買・贈与の場合と相続の場合では登録免許税の税率は異なっている。

2 × 土地の売買にかかる登録免許税の課税標準は、実際の取引価格ではなく、固定資産課税台帳に登録された価額である(登録免許税法10条、同法附則7条)。

3 〇 登録免許税の納付期限は、当該登記を受けるときである(登録免許税法27条1号)。

4 × 登記は、原則として登記義務者と登記権利者が共同して申請しなければならず、登録免許税は、この両者が登記を受ける者として連帯して納付義務を負う(不登法60条、登録免許税法3条)。



【No.28】固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続(固定資産評価基準)は、総務大臣が定めることとされている。

2 200u以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、価格の1/2の額とする特例措置が講じられている。

3 固定資産税の納税者は、固定資産課税台帳に登録された事項に不服がある場合には、固定資産評価審査委員会に対し登録事項のすべてについて審査の申出をすることができる。

4 固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月のそれぞれ末口であり、市町村がこれと異なる納期を定めることはできない。



正解1

1 〇 地方税法によれば、固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続きは、総務大臣が定めて告示しなければならない(地方税法388条1項)。

2 × 200u以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準の特例措置は、価格の2分の1ではなく6分の1とするものである(地方税法349条の3の2第2項、同法施行令52条の12)。

3 × 固定資産税の納税者が、固定資産評価審査委員会に対して審査の申出ができるのは、登録事項のすべてではなく、固定資産課税台帳に登録された価格についてだけである(地方税法432条)。

4 × 固定資産税の納期は4月、7月、12月、2月中において、市町村の条例で定める。ただし、特別の事情があるときは、これと異なる納期を定めることも可能である(地方税法362条)。


【No.29】地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行うよう努めなければならない。

2 地価公示は、土地鑑定委員会が、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、標準地の正常な価格を判定し、これを公示するものである。

3 標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に地上権がある場合には、その地上権が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。

4 標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して行われる。



正解 3

1 〇 都市及びその周辺の地域等において土地の取引を行う場合には、標準地について公示された価格を指標として取引を行うように努めなければならない(地価公示法1条の2)。一般の土地取引については、契約自由の原則が働くため強制はできず、努力目標とされているのである。

2 〇 地価公示は、国土交通省に置かれる土地鑑定委員会が、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士に鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行い、標準地の正常な価格を判定し公示するものである(地価公示法2条1項)。

3 × 標準地の正常な価格は、対象土地に地上権等の権利が存在したり、建物が存在する場合には、それらが存在しない更地である場合に通常成立すると認められる価格をいう。

4 〇 標準地の鑑定評価を行う場合には、標準地の近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案する(地価公示法4条)。


【No・30】A(個人)の宅地建物取引業法の免許(以下この間においてr免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 Aが、競売により取得した複数の宅地を、宅地建物取引業者に媒介を依頼し売却する行為を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。

2 Aが、土地区画整理事業により造成された甲市所有の宅地を、甲市の代理として売却する行為を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。

3 Aが、組合方式による住宅の建築という名目で組合参加者を募り、A自らは組合員となることなく、当該組合員による住宅の建築のため、宅地の購入の媒介を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。

4 Aが、賃貸物件の複数の所有者から一括して借上げ、賃借人に自ら又は宅地建物取引業者に媒介を依頼し賃貸する行為を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。



正解 4

1 × 複数の土地を反復継続して不特定多数に対して売却する行為は宅建業に該当する行為である。宅建業者に媒介や代理を依頼して行う場合でも、Aが売主自身であることに変わりはなく、宅建業者の免許を必要とする(宅建業法2条2号)。

2 × 国や地方公共団体は宅建業法の適用を受けることはない。しかし、本肢のAは、他人(甲市)を代理して、反復継続して不特定多数に対して売却を行うのであるから、宅建業の免許が必要である。この場合には、他人を代理又は媒介して行う行為自体が宅建業に該当するのである(宅建業法2条2号)。

3 × 組合参加者を募り宅地の購入の媒介を反復継続して行うのであれば、この行為は宅建業に該当する。したがって宅建業の免許が必要となる(宅建業法2条2号)。

4 〇 本肢のAは、他人が賃貸する行為を代理又は媒介するのではなく、自分自身が他人物の貸主となるものである。反復継続して不特定多数に対して行う場合でも、自己の所有物であるか否かとは関係なく、自ら貸主となる行為は宅建業には該当しない。したがって免許は不要である(宅建業法2条2号)。