平成13年度、問題回答集11〜20

【No.11】
被相続人Aの相続人の法定相続分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 AとBが婚姻中に生まれたAの子Cは、AとBの離婚の際、親権者をBと定められたが、Aがその後再婚して、再婚にかかる配偶者がいる状態で死亡したときは、Cには法定相続分はない。

2 Aに実子がなく、3人の養子がいる場合、法定相続分を有する養子は2人に限られる。

3 Aが死亡し、配偶者D及びその2人の子供E、Fで遺産分割及びそれに伴う処分を終えた後、認知の訴えの確定により、さらに嫡出でない子Gが1人いることが判明した。Gの法定相続分は1/6である。

4 Aに子が3人あり、Aのタヒ亡の際、2人は存命であったが、1人は既に死亡していた。その死亡した子には2人の嫡出子H、1がいた。A死亡の際、配偶者もいなかった場合、Hの縦相続分は1/6である。



正解 4

1 × 被相続人Aが生前に離婚し、再婚しても、Aの子Cは相続権を失うことはない。親権者がBであっても相続権とは無関係である。

2 × 養子が何人いようと、養子縁組を解消しない限り全員が相続人となる。

3 × 遺産分割及びそれに伴う処分が終了した後で新たな相続人が現れた場合には、新たな相続人を含めて遺産分割協議をやり直すことになる。非嫡出子Cの相続分は嫡州子の半分であるから、配偶者Dが2分の1、EとFがそれぞれ5分の1、Gが10分の1となる。

4 ○ 被相続人Aより先に死亡した子にさらに子H・T(Aの孫)がいた場合には、死亡した子が生きていれば相続したであろう相続分を、その子H・Tが代襲相続する。H及びTの相続分は各6分の1ずつとなる。



【No.12】
Aは、昭和46年(西暦1971年)8月、Bから、その所有地を、建物の所有を目的として存続期間30年の約定で賃借し、その後A所有の建物を同士地上に建築し、A名義の所有権保存登記をしてきた。この場合、借地借家法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

1 平成13年(西暦2001年)8月の契約更新時に、AB間の合意により、更新後の存続期間を10年と定めることができる。
2 平成13年8月の契約更新時に、AB間の合意により、今回の更新は旧借地法によるものとするが、次凶以降の東新は借地借家法本則によるものとする旨定めることができる。
3 Aは平成12年7月に再築のため建物を取り壊し、土地の上の見やすい場所に「旧建物を特定するために必要な事項、取り壊した目、建物を新たに築造する告」を掲示した。この掲示が存続していれば、建物が未完成でも、平成13年8月時点で、Aは本件借地権を第三者に対抗できる。
4 平成13年8月の契約更新後、更新期聞満了前に、本件借地上の八所有建物が朽廃した場合、本件借地権は消滅しない。



正解 3

1 × 本問の場合には、平成4年7月31日以前に締結された契約であるから、特定の規定を除き、現行の借地借家法ではなく旧法である借地法が適用される(借地借家法附則6条)。借地法によれば更新後の期間は堅固建物で30年、非堅固建物で20年である。したがって、木造のように10年とすることばできない。

2 × 前述のように、現行の借地借家法が施行される前に締結された契約には借地法が適用され、契約の更新についても借地借家法によるとする合意は無効である。

3 ○ 借地上の建物の滅失後に一定の事項の掲示によって対抗要件とすることを認めた借地借家法10条2項の規定は、借地契約の締結が現行法脚」二前のものであっても、減失が施行後であれば適用される(借地借家法附則8条)したがってAは、第三者に対抗できる。

4 × 現借地法の規定では、借地上の建物が朽廃したら借地権は消滅することになっていた(借地借家法附則5条、借地法2条1項但書、5条1項)。なお、朽廃とは、時間の経過によって建物としての効用を失った場合をいう。借地借家法は建物の朽廃を滅失の中に含ませており、これによって借地権が消滅することはないが、旧借地法は滅失と朽廃を明確に区別し、滅失によって借地権は消滅しないが、朽廃があれば消滅するものとしていた。




【No.13】
 賃貸人A(個人)と賃借人B(個人)との間の居住用建物の賃貸借契約に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Bが家賃減触の請求をしたが、家賃の減額幅についてAB間に協議が調わず裁判になったときは、Aは、その裁判が確定するまでの期間は、Aが相当と認める金額の家賃を支払うようにBに請求できる。

2 Bが家賃減額の請求をしたが、家賃の減額幅についてAB間に協議が調わず裁判になったときは、その請求にかかる一定額の減触を正当とする裁判が確定した時点以降分の家賃が減額される。

3 家賃が、近傍同種の建物の家賃に比較して不相当に高触になったときは、契約の条件にかかわらず、Bは、将来に向かって家賃の減額を請求することができる。

4 AB間で、3年間は家賃を減額しない旨特に書面で合意した場合、その特約は効力を右しない。



正解 2

1 ○ 本肢のように、借賃について協議が調わない場合には、賃貸人は相当と認める賃料を請求でき、また、賃借人は相当と認める賃料を支払えばよい(借地借家法32条)。

2 x 裁判によって賃料の額が確定した場合には、減額請求があった日後の賃料が減額される(借地借家法32条3項但書)。確定時点以降ではない。

3 ○ 本肢のような場合には、将来に向かって借賃の減額請求が可能である。これは、借家契約で借賃の減額はしない旨を定めていた場合でも同じである。なお、増額しない旨の定めがある場合には、どのような事情があっても増額することはできない。借地借家法はこの点では借家人保護の姿勢を貫いている。

4 ○ 前述のように、借賃を一定期間増額しない旨の特約は有効であるが、減額しない旨の特約は借家人に不利な特約となり、効力を生じないのである。




【No.14】
 1棟の建物を区分した建物(以下この間において「区分建物」という。)についての登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 表示の登記がされていない区分建物を建築老から取得した老は、当該区分建物の表示の登記を申請する義務はない。
2 区分建物の床面積は、壁その他の内側線で固まれた部分の水平投影由積により算出される。
3 区分建物が規約による共用部分である旨の登吉山ま、当該区分建物の登記用紙の表題部にされる。
4 区分建物について敷地権の表示が登記されたときは、敷地権の目的たる土地の登記用紙の表題部に敷地権である旨の登記がされる。



正解 4

1 ○ 区分所有建物の表示の登記の申請義務者は、本肢の場合には最初に所有権を取得した建築者であり、その物から取得した者には申請義務はない(不登法47条1項)。

2 ○ 区分所有建物の床面積は、壁・柱などの内側線で囲まれた部分の水平投影面積によって算出される(建物区分所有法14条3項)。この算出方式を内のり方式とよぶ。

3 ○ 規約共用部分は登記が第三者対抗要件であるが、この登記は当該区分所有建物の登記用紙の表題部になされる(不登法44条1項6号)。

4 × 敷地権には所有権、地上権、賃借権があるが、敷地権の目的である旨の登記は、その土地の登記用紙の表題部ではなく、所有権については甲区欄、地上権又は賃借権については乙区欄になされる(不草法46条、登記規則119条1項本文)。





【No.15】
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。

2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者全員の承諾を得なければならない。

3 管理者は、規約の定め又は集会の決議があっても、その職務に閲し区分所有者のために、原告又は被告となることができない。

4 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないが、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。



正解 4

1 × マンションの分譲業者のように最初に区分所有建物の全部を所有する者は、共用部分の持分の割合を定める規約を設定することはできない(建物区分所有法32条)。

2 × 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての規約の設定・変更・廃止は、当該一部共用部ク)を共用する者の頭数の4分の1を超える者の反対又はその議決権の4分の1の反対があるときはすることができない(建物区分所有法31条2項)。

3 × 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に閲し区分所有者のために訴訟の原告又は被告となることができる(建物区分所有法26条4項)。

4 ○ 区分所有者の集会は、区分所有者全員の合意があるときは、招集手続を経ないで開催することができる(建物区分所有法36条)。この規定は、小規模なマンションでは、面倒な手続きを省略して迅速な管理運営を行うことができるように定められたものである。 したがって、区分所有者全員がたまたま集まっていた場合にも、全員の合意があればその場で集会を行うことができ、電話連絡などで全員の合意が得られれば即日の集会が開催できる。




【No.16】
国土利用計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 監視区域内において一定規模以上の面積の土地売買等の契約を締結した場合には、契約締結後2週間以内に届出をしなければならない。

2 市町村長は、当該市町村の区域のうち、国十交通大臣が定める基準に該当し、地価の上昇によって適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域を、期間を定めて、注視区域として指定することができる。

3 監視区域内において国土利用計画法の規定に違反して必要な届出をせず、土地売員等の契約を締結した場合には、6月以下の懲役又は100万円以卜の罰金に処せられる。

4 注視区域内においては、都道府県の規則で定める面積以上の土地売買等の契約を締結する場合に届出が必要である。



正解 3

1 × 監視区域内で一定規模以上の土地売買等の契約を締結しようとする場合には、契約締結前に届出が必要である(国土法27条の4第1項、27条の7第1項)。

2 × 監視区域の指定は、原則として都道府県知事が行う(国土法27条の3第1項)。

3 ○ 監視区域内は、一定の土地取引には事前の届出が要求されている。この届出を行わないで契約の締結をした場合には、6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる(国土法47条2弓・、27条の4第1項、27条の7第1項)。

4 × 注視区域において届出が必要な土地取引の面積については、国土法に定めがある(法23条2項)。都道府県の規則で定めるのは監視区域における面積要件である。



【No.17】
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 用途地域に関する都市計画には、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を定めることとされている。
2 第一種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度を定めることとされている。
3 第二種中高層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの最高限度及び最低限度を定めることとされている。
4 特定街区に関する都市計画には、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることとされている。



正解 3

1 ○ 用途地域に関する都市計画には、必ず容積率を定める(都計法8条3項2号イ)。

2 ○ 第一種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度を必ず定める(都計法8条3項2号ロ)。ちなみに最高限度は10m又は12mとされている。

3 × 第二種中高層住居専用地域では、建築物の高さの最高限度及び最低限度を定めることば要求されていない。

4 ○ 特定街区に関する都市計画には、容積率と建築物の高さの最高限度、壁面の位置の制限を定めることとされている(都計法8条3項2弓り)。



【No.18】
次に掲げる開発行為(都市計画法第4条第12項に定める行為をいう。以下この間において同じ。)のうち、同法による開発許可を常に受ける必要がないものはどれか。

1 公民館の建築を目的として行う開発行為

2 農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的として行う開発行為

3 土地区画整理事業が行われている区域内において行う開発行為

4 学校教育法による大学の建築を目的として行う開発行為



正解1

1 不要
  公民館は公益的建築物に該当し、その地域住民にとって利益となる建築物である。そこで都計法は、このような公益的建築物を建設する目的で行う開発行為については、どの区域で行うかにかかわりなく許可なく行うことができるとしているのである(都計法29条
1項3号)。本肢は平成19年の法改正に合わせて改変したものである。

2 必要
 農業を営む者の居住の用に供する目的で行う開発行為について許可が不要なのは、市街化調整区域及び非線引区域、準都市計画区域そして都市計両区域外で行う場合である(都計法29条1項2号、2項1号)。したがって常に許可不要というわけではない。

3 必要
 本肢は勘違いした受験者が多いように思われるが、「土地区画整理事業の施行として行われる開発行為」と「土地区画整理事業が行われている区域内において行う開発行為」とはまったく別のものである。前者であれば許可不要だが(都計法29条1項5弓)、土地区画整理事業が行われている区域内で行うものであっても、土地区画整理事業の施行として行うものでなければ許可は必要である。

4 必要
  幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校は、許可の必要な建築物である(都計法29条1項3弓)。



【No.19】
都市計画法の開発許可に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 開発許可申請書には、予定建築物の用途のほか、その構造、設備及び予定建築価額を記載しなければならない。

2 開発許可の申請は、自己が所和している土地についてのみ行うことができる。

3 開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発工事完了の公告があるまでの間は、原則として、建築物を建築することができない。

4 開発許可処分については、開発審査会の裁決を経ることなく、常に直接その取消しの訴えを提起することができる。



正解 3

1 × 開発許可申請書には、予定建築物の用途については記載事項とされているが、構造、設備、予定建築価額などは記載の必要はない(都計法30条1項2号)。

2 × 開発許可の申請に必要なのは、開発区域内の土地の権利者の相当数の同意である。したがって、自己が所有している土地でなくても相当数の同意があれば開発許可の申請は可能である。

3 ○ 開発許可を受けた開発区域内においては、開発工事完了の公告があるまでの間は、原則として建築物の建築は制限される。これは予定建築物であっても同じである(都計法37条)。

4 × 開発許可の処分について不服があるときは、取消しの訴えを提起する前に、必ず開発審査会へ審査請求をしなければならない(都計法50条1項)。訴えの提起は開発審査会の裁決を経た後でなければすることはできない(都計法52条)。





【No.20】
防火地域又は準防火地域に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 防火地域内において、延べ面積が50uの平屋建の附属建築物で、外壁及び軒裏が防火構造のものは、必ず耐火建築物としなければならない。
2 準防火地域内にある木造建築物の外壁及びその軒裏で延焼のおそれのある部分は、防火構造としなければならない。
3 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる吸介においては、その全部について準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
4 防火地域又は準防火地域以外においても、建築物の高さが15mを超える建築物は、必ず耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。



正解 2

1 × 防火地域内においては、建築物は原則として耐火建築物又は準耐火建築物としなければならないが(一定規模以上のものは必ず耐火建築物としなければならない)、例外的に延べ面積50u以内の平屋建の付属建築物で、外壁及び軒裏が防火構造のものについては適用除外とされている(建基法61条1号)。

2 ○ 準防火地域内にある木造建築物の外壁及びその軒衰で延焼のおそれのある部分については、必ず防火構造としなければならない(建基法62条2項)。

3 × 本肢のように、制限の異なる地域にまたがる建築物は、その全部について厳しい方の制限が適用される(建基法67条2項)。したがって、この場合には防火地域内の建築物の規定が適用されるのである。

4 × 本肢のような規定は存在しない。